2007年12月15日 NO.3
◎流山市クリーンセンター
流山市は、柏市に隣接する人口15万5千人の市であり、このクリーンセンターは柏市第2清掃工場より1年早く稼動しており、一般住宅地から少し離れた江戸川沿いの常磐自動車道流山インター横に、リサイクルプラザと並んで建てられている。
施設概要の説明を受けた後、リサイクルプラザから見学をした。ごみ焼却施設に隣接して別棟で建てられているこの施設には、粗大ごみ、燃やさないごみ、プラスチック類、ペットボトル、びん・缶などが搬入されている。プラスチック類、ペットボトルについては、搬入されたものを手作業でリサイクルに適する物とそうでない物とに選別されていた。あとで記載するが、ごみ焼却施設の能力が高いので、ここでの選別はあまり厳密には行われてなく、完全なものだけがリサイクルにまわされているような印象を受けた。びん・缶についても、色・種類関係なく袋に入った状態で搬入され、鉄・アルミは自動で、びんは手作業で色別に選別されていた。市民意識高揚のためにも、もう少し事前の分別をしたほうがいいのではと感じた。
photo-1 手作業の選別作業
photo-2 リサイクルプラザ搬入状況
続いて、渡り廊下でごみ焼却施設棟へ移動した。この施設は、次世代型と評される荏原製流動床式ガス化溶融炉で、日量207t(69×3)の処理能力を有している。この方式は、燃焼前にごみを500〜630℃に熱してガス化し、それを1300〜1400℃の高温で燃焼させるもので、燃焼と溶融が並行して行われ、同時にダイオキシン類も分解されている。排出ガスの基準値は柏市とほとんど同じであるが、実際の測定結果は柏市よりもっとクリーンになっている。溶融スラグについては、ここでもほぼ全量、市発注の舗装工事に活用されている。焼却ごみの量は、能力の50〜70%で推移していて、余熱利用発電も、能力3000kwhの50〜70%になっている。また、その他の余熱利用として、ここでも地元要望に答えるかたちで、浴室・集会機能施設を隣接地に建設している。
研修後日に、焼却施設にかかる人件費、光熱水費などのデータを送っていただいたが、焼却ごみの量で割ると、ごみ1トン当たり17,000円弱であり経済的にも優れた施設であると言える。まだまだ新しい施設であるから今後どのような問題が発生するかわからないが、その構造上大きな問題が発生するとは思えない。注目していきたい施設である。
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