2007年12月15日 NO.2
◎柏市第2清掃工場(南部クリーンセンター)
Jリーグ柏レイソルでその名を聞く柏市。人口38万6千人で、南北に二つの清掃工場がある。柏レイソルの親会社は日立であり、その関連かどうかはわからないが、この清掃工場は日立造船製、日量250t (125t×2)の火格子式連続焼却炉と、同じく23tの電気式灰溶融炉を備えている。平成18年度から稼動し始めた真新しい工場で、清掃工場は迷惑施設ではないという考えのもと、余熱利用の温浴施設、温水プールなどの「リフレッシュプラザ柏」とともに、低層住宅街の真ん中に建設されている。
建設に当たって、設計の段階から地域住民の参画を求めて、住民の意向を反映した施設が出来上がっている。煙突の高さを通例よりはるかに高い100mにし、外壁の色、緑化、それから防音・防臭構造など、住民ととことん話し合って決められたとのことで、とても落ち着いた雰囲気で柔らかい感じのする施設であった。公害防止についても細心の注意が払われていて、法令規制値の10分の1程度の自己規制値を設定し、実際の運転ではさらにその規制値の10分の1以下のクリーンなものにしている。
特筆すべきは、見学者に対する設備のすばらしさで、見学用にフロア・通路が設置されて、エレベータに乗ればその中から炉室が展望でき、ホールに置かれたパソコン端末からは施設の運転状況を数値データや映像で確認できる。極めつけは、炉内体験シアター! シアターのゆったりした座席に特殊眼鏡をかけて座ると、ごみの投入から燃焼炉・煙道内などの様子が、臨場感にあふれた、ど迫力の立体画像で体験できる。子どもだけでなく、大人も十分楽しみながら見学・理解できるこれらの設備は、全て単独の費用で設置されている。
本題である施設の運転状況は、現在のところ、二つある炉のうち1号炉のみの運転となっている。このため、余熱利用の発電も能力の半分以下であり、使用電力のうち、買電と自家発とが半々とのことであった。煙突からの排出ガスは、先に書いたように極めてクリーンであるが、施設の能力の高さなのか、まだ新しいことによるものか、もう少し先でないと判断しかねると思う。電気式灰溶融炉については、これも順調に運転されている。多摩川清掃工場で問題になっていた灰の貯槽については十分な大きさのものがあり、鉛の含有についても問題にならないレベルであって、粒度分布の関係でJIS規格は取れないが、全量ほとんど資源として市の舗装工事に活用されている。
photo-1 清掃工場ベランダ
photo-2 工場のガラス越しに見たリフレッシュプラザ
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