2007年12月15日 NO.1

◎東京23区清掃一部事務組合多摩川清掃工場
 この施設は、元の工場建物の一部を利用して造ったもので、平成15年6月に竣工している。石川島製、日量300t(150t×2)の回転ストーカ式連続燃焼焼却炉と、日量30tのガス燃焼式灰溶融炉を備えている。

 焼却炉、溶融炉ともに大きな問題なく運転されているようであるが、年間5000t排出される溶融スラグのうち、2000tが埋立て処分もできない不適物となっている。本来、スラグは有価物であるはずだが、JIS規格への適応など、ハードルが高くて残りのほとんども東京湾中央埋立地へ送られている。

 溶融炉の熱源は都市ガスであり、このため余熱利用発電量の約4分の1が売電されて、年間6〜7千万円の収入がある。反面、都市ガス料金は年8〜9千万円かかっている。また、ごみ重量の約7%の灰が発生しているが、溶融炉の連続運転必要量に対して灰が不足する状況になっており、対策として、灰を貯槽にストックしておいて数日分をまとめて溶融しているとのことである。ところが、その灰貯槽が小さすぎて長時間連続運転ができず、冷めてしまった炉をたびたび所定の温度まで熱するので、結果的に、このことが都市ガス使用量を増大させている。この点には、特に気をつけなければならないと教えられた。

 この東京23区清掃一部事務組合には20箇所以上の清掃工場があり、毎年、1箇所以上は施設更新していかなければならないそうで、多くの方式が採用されている。財政的に余裕を持つ東京都だからこそ、莫大の費用をかけて先駆的な取り組みを行っているようである。

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