20200227 NO.2
◎パナマ運河
米国の東海岸と西海岸、大西洋と太平洋を、南米大陸を迂回せずに結ぶ航路として建設されたパナマ運河。100年以上前の1914年に完成した世紀の大事業である。標高差のないスエズ運河と違って、海抜26mのガツン湖を経由するため閘門を使って船舶を昇降させている。

運河の閘門は、幅33.5mの2連で建設され運用されていたが、物流の増大、船舶の大型化に対応するべく、バイパス的な3連目となる幅55mの新閘門が2016年に完成した。このことによって大型のコンテナ船やLNG船が通行できるようになり、貨物通過量も倍増したとのこと。

運河の通過は完全予約制で、両方向あわせて1日あたり40隻弱が通行しており、2019年度の通過貨物量は252百万トン、内、日本を発着するものは13.5%であった。また、同年度のパナマ運河庁の収入は33.6億ドルで、国庫には国家予算の約7%にあたる17.8億ドルが納付されている。

旧閘門は、ゲートが観音開きで、船舶を両側から機関車で牽引するのに対し、新閘門は、ゲートは引き戸方式で、船の前後に付くタグボートが通過をリードする。私たちは、先に新閘門を訪れたが、ちょうど1万個積みのコンテナ船が通過中で、そのスケールの大きさに圧倒された。旧閘門のほうは、昼食時間になったこともあり、船舶を見ることができなかったが、建設当時からある制御機器などを見ることができて、100年以上前の技術力の高さに感心し、見入ってしまった。

photo-9   旧運河 太平洋方向
photo-10   旧運河 大西洋方向

photo-11   旧運河 機関車レールと閘門
photo-12   手動制御盤 方柱は水位計

photo-13   大型コンテナ船通過中 奥は節水目的の貯水池
photo-14   新運河大西洋方向

photo-15   船を引くタグボート
photo-16   ゲートが押し出されてくる


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