20080224 NO.5
◎2月8日 釧路市広域連合清掃工場
この清掃工場は、釧路市と周辺3町村のごみ処理を行う平成18年4月に稼動した三菱重工業製流動床式ガス化溶融炉で、日量240t(120t×2)の処理能力を有している。釧路市中心部から東へ10kmほど行ったところの釧路市埋立て処分地の中にあり、回りは雑木林だけで人家も農地も見当たらない。
11月に流山市クリーンセンターを視察した際、ガス化溶融炉のクリーン性、経済性に感心したところであったが、この方式の他のメーカーのものを視察するチャンスに恵まれた。視察先を検討する段階で、三菱重工業の第1号機ということと、建設費用がとび抜けて安いことが目に留まり、冒頭で触れたとおり、極寒の遠隔地まで足を運ぶことになった。
まず、その建設費のことであるが、当初見積りは160億円、予定価格を同方式先行都市の状況を勘案し88億円として入札した結果、45億円で落札されている。(全て税抜き) 日本を代表する大メーカー三菱重工業であるから、安すぎても不安はなかったものと思えるが、今治市でもこのようになってもらいたいものだ。
運営、維持管理については、建設業者の三菱重工業などが出資する会社に長期包括委託を行っている。建設費を安く抑えている代わりに運営費が高いということはよくあるパターンであるが、ここの場合は、15年間を99億8千万円(税抜き)で契約されており、処理量1tあたりに換算すると1万円程度に納まって、このことについても安いとしか言いようがない。
余熱利用発電(能力4400kwh)は、平成18年度ベースで平均発電量2570kwhのうち1088kwhが売電されて、年間68百万円の収益を上げている。溶融スラグは年間2000tあまり発生しているが、商品化に向けた検査中のため、現時点ではストックしたままである。
気になったのは、資源利用できるスラグとほぼ同じ量の飛灰が発生していることで、ここの場合はすぐ隣が埋立て処分地であるため問題ではないが、これが今治だとそうはいかず、もっと調査研究してみなければならない。
建設費、維持管理費のほかにもうひとつ驚かされたことは、見学者の多さである。平成18年度1年間で6,419人となっている。小学生などの集団見学もあったそうだが、私たちと同じように、この施設の突出した内容に関心を持っての行政視察が多いのであろう。広域連合の職員は、見学者の対応に追われる日々を送っている。見学者用の設備についても、特別なものはないが、さりげなく充実したものであった。
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