2007年1月8日 NO.4
◎ 質問(森きょうすけ)
合併メリットを実感できる町づくりということについて質問します。
合併し、新しい今治市が誕生してから、2 年が来ようとしていますが、一般的な合併メリットとして、行政サービスの広域化や住民サービスの高度化による「住民生活の利便向上」、地域のイメージアップや合併を地域づくりの契機と捉えることによる「地域づくりの進展」、行政業務の集約や施設の効果的配置による「行財政の効率化」、行政規模拡大によって生み出される財源や人員の余裕を用いた行政サービスの高度化・専門化や大規模事業実施が可能となる「行政能力の向上」といったことなどが挙げられており、実際、特別職や議員の数が減少しその分の歳出が削減されましたが、一般市民からは、「合併しても何も良いことがない。」といったような声が聞こえてきます。
今回の合併は、国策であったにしても、あくまで行政主導で行われた合併ですから、合併メリットを生かす施策を行うだけでなく、市民にそのことを実感させる責務があると思います。
そこでお尋ねします。合併メリットを市民に実感させること、具体的にどのようなことをやってきたとお考えでしょうか? また、今後どのようなことをしていこうと考えているのかお答えください。
続いて、地域の特徴ある施設の有効活用についてということで質問します。合併前の自治体には、それぞれ特色のある施設がありました。合併後において、住民サービスの公平という観点に立てば、一部の地域だけにある施設の活用はどうしても消極的になってしまいます。目先の公平観で、限定された地域への財源投入はおかしいと考えてしまったら、その時点から行政は後退です。合併前のそれぞれの自治体が行っていたよりもっと有効的な活用方法を考え、施設機能を最大限引き出す努力が必要だと思います。そして、その施設がいいものであれば、他の地域にもその施設整備を行っていく。合併したからこそできる手法ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
ひとつの例として、波方CATV を挙げたいと思います。このケーブルテレビは旧波方町において100%に近い加入状況で、広報媒体としての機能にすばらしいものがあります。波方だけに特別な広報をするのはおかしいと考えてしまっては、せっかくの施設が生きてきません。このケーブルテレビのサービスエリアを、今治市の中のひとつの「特区」として位置づけ、広報の可能性、今後のあるべき姿を追求してみてはどうでしょうか。
その成果を踏まえて、他の地域の広報媒体整備を行い、結果的に、整備される施設がケーブルテレビ以外のものになってもいいわけです。12もの個性が集まったのですから、このような取り組みが出来る施設はいくらでもあると思いますが、ご見解をお聞かせください。
次に、支所機能の強化と合併前の行政手法活用についてということで質問します。
新しい今治市になってからの街づくりは、市内全体を統一しようとするような画一的なものなっているように感じられます。12 もの多くの市町村が合併したのですから仕方がないことかもしれませんが、今求められているのは、それぞれの地域の特性を生かし、地域の個性がきらめくような街づくりであって、市内各地のきらめきが連動し、相乗効果を生み出すような街づくりだと思います。
合併前の市町村では、それぞれ独特の行政手法をとっていた項目が数多くありましたが、合併と同時に支所の権限はほとんどなくなってしまい、当然のことながら、ひとつの条例に基づき、本庁の担当課の指示によって淡々と行政事務が行われています。
合併とはそういうものだと言ってしまえばそれまでですが、せめて5年間くらいは、条例の許す範囲内において、支所の権限で旧来の手法を継続し、市域全体の視点でその手法のよいところ、悪いところを精査し、よいことは他の地域にも取り入れていく。このようにして、次の5年間で徐々に統一していけば、結果として最善のものを得ることが出来るはずです。
ここでは、一例として、大西町の藤山健康文化公園の管理を挙げてみます。
合併前には、この公園管理の多くを、地元のシルバー人材センターに任せていました。任されたほうは、自分たちの公園として、草刈、遊具の修繕、水路の清掃、簡単な土木工事、雑木の剪定、枯れ木の整理等、できることは何でも心をこめて作業を行っていました。いろいろな技術と機器を持ったスタッフがそろっており、少々のことであれば、受託の範囲を超えたことでも奉仕の精神で対応していたそうです。
合併後は、基本的な管理業務が専門業者に委託され、シルバー人材センターも統合されて、もともとのメンバーには、本部を経由しての単純な除草・草刈作業が回ってくるだけになり、メンバーは意欲・気力をなくしかけています。一生懸命作業をしていた方々の目には、公園内各所の不備が目立ってしょうがないそうです。コストを比較しても、どちらが効果的か一目瞭然だと思います。この公園管理のことは、以前、メンバーの一人が市に投書した内容ですので、答弁を求めるものではありませんが、この例のように、合併後いきなり手法を変えたために混乱を招いている事例は、各所にあると思います。
今一度、支所の権限・機能を強化し、各地域の特色のある行政手法を取り入れてみるお考えはないでしょうか?
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