20140112 NO.1
◎印象に残った言葉
・横手市「地産外消」
B1グランプリ横手焼きそばや、かまくらで有名な秋田県横手市は広大な農地を擁しており、そこから生産される米、野菜、果物など、そのほとんどが農業県秋田の中でもトップレベルの生産量を誇っている。横手市では、地域の根幹である「農」の営みと、そこから生み出される豊かな産物による自給的な食文化を生かしてまちを元気にしようというプロジェクト「食と農からのまちづくり」が推進されている。同じように「食と農」をうたった今治市などの取り組みとは方向性が少し違っていて、新たな目を開かせてくれるものである。

横手の食文化の特徴は、米糀(こうじ)をふんだんに使用した食と産業にある。冬の間雪に閉ざされることもあって、糀を使った漬物、味噌醤油、日本酒などが生産され、それらが伝統的食材となって消費されている。

伝統的な食を文化として捉え、その継承と発展を目指した地域内での取り組みと並行して、この食文化を外に向けて発信し、外に向けて売れる仕組み作りを官民一体となって構築しようとしている。秋田県の・・・ではなく、頭から横手市を前面に押し出して、仙台圏、首都圏に多くの直売所を設置するとともに、海外への農産物プロモーションや、首都圏のバイヤーを招待しての産地見学商談会開催などその挑戦は留まることを知らない。これら外に向けての取り組みを「地産池消」に対する「地産外消」と称しているとのことである。

横手市では、そのあふれるほど豊かな食材によって、地産池消は当たり前にもたらされるものであり、地域の主産品である農産物を外に売る地産外消こそが、まちづくりの根幹をなすのである。

今治市の地産池消は、少しでもいいから地域農業を振興しようといったレベルである。タオルの今治ブランドはかなり浸透してきたように思えるが、このような単品ブランドだけではなく、今治全体をブランド化し、農産物も含めた多くの産品が売り出せるような取り組みをしなければならない。こじんまりとした内向きの地産池消ではなく、攻めの姿勢の地産外消を目指そう!!

・東根市「小さなけがはお持ち帰りください」
山形県東根市に、平成25年5月にオープンしその後5ヶ月間で30万人もの利用があった屋外遊び場施設がある。「ひがしねあそびあランド」というこの施設は、子供たちの「やってみたい!」という気持ちを大切にし、自分の責任で自由に遊ぶことをコンセプトとしている。

大型ネット遊具やふわふわドームなど一般的なものもあるが、木っ端やガラクタ、それらを加工するための工具をそろえた冒険広場ゾーンが特徴的で、ここでは泥んこ遊びもできるし火を使うこともできる。ルールを守って火の大切さや暖かさを学ぶのである。
利用者に対する案内書きには、「食べ物や飲み物の持ち込みは自由ですが、ゴミと小さなけがはお持ち帰りください」とある。この言葉が施設の性格を如実に表している。

今治市の西部丘陵公園にも、このようなコーナーを造ってはどうだろうか。設置、維持管理、どちらの経費も市財政に負担になるほどのものではないと思われる。


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