20091107 NO.2
◎みなと地域の整備
 市長が立ち止まることを表明したみなと再生事業についておさらいしてみる。事業の基本コンセプトは"「交通」の港から「交流」の港へ"と位置付けられており、具体的内容は、海事関連オフィスや行政機関、商業施設などが集積した都市型ビル・海事ビジネスセンター整備。屋外ステージ、市民スタジオなどをそなえた沖洲海浜公園の整備などである。
 今治港を発着する多くの航路があった時代、乗降する多くの旅客で賑わっていたその当時では、みなと地域はまさしく交通の拠点であり、交流の場でもあった。航路、乗降客が著しく減少してしまった現在において、昔の賑わいを取り戻すことは、どう考えたところで不可能に近い。海事ビジネスセンターや海浜公園などの整備を行うくらいでは交流人口が増加するとは思えない。もっとスケールの大きなものを造れば可能性があるのかもしれないが、投資に見合うだけのものは期待できないし、その財源も無いのが現実である。
 このみなと地域を、中心市街地活性化の拠点のひとつとして捉える考え方もあるようだが、イベントの開催などで一時的な人集めを行ったところで、その賑わいが中心市街地の恒常的な賑わいにつながっていくとはとても思えない。
 上述のように、私にとってみなと地域は非常に魅力的であるし、大きなポテンシャルを秘めている。しかし、現時点で中途半端な投資をしたところでその良さを引き出すことはできない。また、老朽化した港湾ビルではあるが、今しばらく我慢していると立替の需要が無くなり、取り壊すだけの結果となるかもしれない。今は、立ち止まってよく考えることが最善である。


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