20081129 NO.1
◎少子高齢化社会について思うこと
近年、団塊世代の皆さんの大量定年退職が問題視されたと思ったら、今度はその方々が高齢者の仲間入りである。高齢者が安心して暮らすために必要な社会保障の現状は、誰の目にも頼りなく映っている。社会保障制度を充実させるための財源は、その大部分を現在働いている現役世代が負担することになる。ワーキングプアと呼ばれる皆さんや、子育てに目一杯の世代にこれまで以上の負担を強いるならば、「どうでもしてくれ!」と、開き直るしかないのが現実である。
社会保障制度の理想形は北欧諸国だと言われているが、人口バランスが崩れてしまっている日本では、それに近づけようとするだけでも困難である。
私が思う解決策は、戦前から戦後しばらくまで続いた、家族で支えあう制度に戻すことである。2世代(帯)といわず、3世代(帯)も4世代(帯)もが同居し家族で支えあえば、高齢者の問題だけでなく、子育てもスムーズに行われて少子化の問題まで解決できるのではないだろうか。子どもと親だけの核家族の生活費は、高齢者が加わってもほとんど変わらない。現在のように、親子がそれぞれ別に暮らし、足りない生活費などを国に保証せよというスタイルを続けたのでは、そのうち国そのものが破綻してしまうと思われる。
今治市のような地方都市に目を向けてみると、少子化を問題にする以前の状況であり、丹精をこめて育て上げた優秀な人材を都会に送り出し続けているのである。今必要なことは、進学のため都会に出た子ども達を呼び戻し、地元で社会人生活を送るようにすることだと思っている。生まれ育った土地で暮らすことにステイタスを与えるような地域社会作りを行わなければならない。「立派な大学を出たのにどしたんじゃろねえ?」では寂しすぎる。もっと、自分達が暮らす地域社会、仕事に誇りを持とう!! 都会に比べて収入が少なくても、大家族の田舎暮らしのほうが、はるかに豊かな生活を送ることができる。地方都市のこのような取り組みこそが社会保障や少子化問題を解決する切り札であり、国を救う最善の策だと思っている。地域の雇用を支える地元企業の業績拡大のため、民と一体になった行政側の取り組みが求められる。
photo-1 たった4人の亥の子行事「ごおりんさん」。
このうち2人は今年で卒業
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