2006年4月8日 NO.1
・3月28日(火)

8時20分広島空港発、空路那覇市へ。
近年開設された都市モノレールで那覇市内へ移動。宿泊予定のホテルに立ち寄り荷物を預け、徒歩で那覇市役所へ向かう。市役所の手前で大変立派な県庁舎に遭遇し、少し時間もあったので交渉したところ議会棟を見学することができた。約束時間に合わせて、すぐ隣にある市役所を訪問したが、こちらは築40年以上ということで県庁とのギャップにあ然としてしまった。

 後でわかったことであるが、本日研修予定の新都心内に第2庁舎があり、本庁舎の移転用地も確保されていた。昨今の財政状況により新庁舎建設が保留状態になっているそうだ。

photo-1 左:沖縄県庁 右:那覇市役所
photo-2 沖縄県議会棟

◎那覇新都心開発整備事業
那覇新都心開発整備事業は、昭和62年5月に米軍接収地が全面返還されたことを受けて事業化された。土地区画整理事業の都市計画決定などの手続きを経て平成4年に工事着手され、平成17年に事業が完了している。

事業の概要
・施行者 独立行政法人都市再生機構
・事業手法 土地区画整理事業 平均減歩率30% (公共減歩26.6%、保留地減歩3.4%)
・面積 約214ha (内 元米軍用地192ha)
・権利者数 約3100人
・筆数 約5500筆
・計画人口 約21000人 (約5800戸)
・事業期間 平成元年からおおむね15箇年
・事業費 約1100億円 (土地区画整理事業費508億円、その他関連公共事業費等を含む)

我々今治市の新都市開発整備事業との相違点を挙げてみる。

・今治は、全ての土地を先行買収して(平均買収単価は約1万1千円/u)工事着手したのに対し、那覇は公共施設用地だけを買収した。(平均買収単価は約10万円/u)

・今治は、住宅用地や産業系用地など大半の土地を分譲するのに対し、那覇で分譲したのは保留地を造成した住宅地だけである。分譲平均単価は約65万円/坪だそうで、高額にもかかわらず完売されて、土地区画整理事業の事業者負担金130億円が確保されていた。

・那覇新都心地区の周囲は事業着手前から密集市街地で、その名が示す新たな都心を造る目的のとおり、すでに国の合同庁舎を始めとする行政関係施設や教育施設、大型ショッピングセンターやデュウティーフリーショップなど多くの施設が立地し、都市モノレールも開業して、住宅地を含めて現在の土地利用率は60%を越えている。

photo-3 広場、駐車場が市役所移転用地
photo-4 デュウティーフリーショップと都市モノレール駅

この那覇市の事業は成功例と言えるが、始めに計画されていたとおりに事業が行われただけで、今治新都市開発整備事業はこれからもっと計画を練り直さなければならないと感じた。
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